グレーディング・スタンダード

グレーディング・スタンダード

PCGS紙幣グレーディングは、全ての収集家に広く受け入れらている70ポイントの数値スケール(評価基準)を使用しています。PCGS紙幣グレーディングが行っている紙幣評価およびグレード設定方法の概要は以下の通りです。MS65以上の紙幣は全てOptimal Paper Quality(OPQ、最適な紙質)の基準も満たす必要がある点にご留意ください。

PCGS紙幣グレーディング:書面によるグレーディング スタンダード

MS70 OPQ – 極上の逸品、未流通
70 OPQグレードの評価を受けるためには、流通の痕跡や袋ずれ傷、その他5倍率で認められる著しい紙の乱れがあってはなりません。余白とレジストレーションは、肉眼で見て完全に中央に示されている必要があります。角が完璧に尖っており、驚くべき見栄えです。

MS69 OPQ – 極上の逸品、未流通
69グレードの紙幣は、一見すると70と同じです。肉眼では流通の痕跡は認められません。より詳細な検査をすると、5倍率にすると余白の僅かなずれ、微細な欠点もしくは極めて軽微な流通の痕跡が認められます。紙質は発行当初の品質かつ色鮮やかで、卓越した見栄えです。

MS68 OPQ – 極上の逸品、未流通
肉眼による簡易検査においてはほぼ完璧な紙幣ですが、余白の僅かなずれ、小さな袋ずれ傷、小さな紙のしわ、極僅かなインクのにじみなど、いくつかの非常に軽微な欠点が認められます。とはいえ実際には目立たず些細なもので、基本的には完璧な紙幣です。

MS67 OPQ – 極上の逸品、未流通
肉眼で僅かにセンタリングのずれが認められますが、十分に平均以上です。小さな流通の痕跡と不備が視認されますが、このグレードの紙幣における全体的な素晴らしい見栄えを妨げるものではありません。

MS66 OPQ – 逸品、未流通
センタリングは平均以上ですが、それ以外に本質的な不備がない場合、狭い余白は許容範囲です。67 OPQグレードには及ばず、縁もしくは角の凹凸、軽微なインクのにじみやその他いくつかの欠点等、より多くの流通の痕跡が認められます。見栄えと紙質は、平均から最高の範囲でなくてはなりません。

MS65 OPQ – 逸品、未流通
平均的な見栄えの美品品質紙幣で、目立ちすぎるものはないものの、より多くの目に見える複数の欠点が認められます。紙質と視認できる不備の数に応じて、このグレードのセンタリングは僅かに平均以下から最高の範囲となります。流通していたことが明らかな場合、センタリングは平均を十分に上回る必要があります。識別できる紙幣の不備がほぼなく、手の切れそうなパリッとした紙幣で見栄えが良い場合、センタリングは僅かに平均以下でも構いません。

MS64 – 選りすぐり、未流通
センタリングに著しいずれが見られる場合があります。いくつかもしくは全ての角が完璧な鋭さを失っています。複数のしわ、包装の問題、デザインに影響しない角の小さな折れなど、より大きな流通の痕跡が認められます。インクのにじみ、いくつかの小さな汚れや退色がある場合があります。それでもこれは選りすぐり品質の紙幣で、大きな障害があるとこのグレードは取得できません。

MS63 – 選りすぐり、未流通
その他不備の数と度合いに応じて、紙幣のセンタリングは良くないから平均の範囲です。このグレードでは不備は直ちに識別可能で、場合によっては角の丸み、より重度の汚れ、インクの退色や平坦なデザイン要素などが認められます。顕著なつまみや小さな折れがある場合がありますが、折れは紙幣の長さもしくは幅全体に及ぶものではありません。

MS62 - 未流通
センタリングがかなりずれている場合があります。この紙幣には多数の不備や障害があり、選りすぐりのカテゴリーから外れています。一目瞭然のしわやつまみ等、汚れや重度の流通の痕跡が認められる場合があります。角にいくつかの折れがあり荒れていますが、縁の端から端まで及ぶ折れがあるものは未流通に分類されません。この紙幣は軽度に洗浄およびプレスされていますが、「ディテール」グレードが付与されるほどではありません。

MS60-61 - 未流通
62における基本的な問題と同じですが、実際の不備の数および度合いが増します。この低い未流通グレードの紙幣では、AUグレードを付与される原因となる折れがしばしば認められます。

AU58 – ほぼ未流通
未流通グレードに見える紙幣ですが、より詳細に観察すると、縦の折れ、多くの場合は中央に軽い折れが認められます。その他、デザインに影響する明らかな角の折れ、もしくは中央の折れはないものの明らかに流通を示唆する角や縁の擦り切れが認められる紙幣もこのグレードに属します。保管による極僅かなたわみ(明白な折れではない)がある紙幣でも、明らかにパリっとして新札同様であり、その他のAU品質が認められない場合は、低い未流通グレードとして評価されることがよくある点にご留意ください。

AU55 – ほぼ未流通
紙幣に軽度の縦の折れが2本あることがしばしばです。より顕著な中央の折れ、横の折れ、もしくは軽度の縦の折れとデザインに影響する角の折れが1つもしくは2つある紙幣も55グレードと評価される場合があります。中央に極端なしわがある紙幣は、AU 50グレードとして評価されることがしばしばです。

AU53 – ほぼ未流通
55と同様の特徴ですが、僅かにより重度の折れ、場合によっては小さな穴、軽度の汚れや更なる角の擦り切れが認められます。

AU50 – ほぼ未流通
重度かつ損傷のある中央の折れ、穏やかな縦の折れが2本、もしくは縦横両方の軽い折れがある場合にこのグレードの評価を受けることがあります。角により多くの折れと明らかな擦り切れが認められます。極めて軽度の縦の折れが3本あるものの、未流通品のその他一般的な特徴を備えている場合はAU 50と評価されることもあります。

XF45 – 極めて上質
このグレードの紙幣の典型的な特徴は、実際にはそれほど重度ではありませんが、明らかな縦の折れが3本あることです。明らかな縦横の折れの場合もありますが、AU 50で認められるものよりも重度です。紙幣は完全な形状を留めていますが、2本もしくは3本の極端な折れがある場合、評価はXF40もしくはVF35グレードに留まる傾向にあります。

XF40 – 極めて上質
XF45の紙幣と同じですが、より重度の折れが認められ、形状が弱くなっています。より重度な擦り切れと角の折れが認められ、流通していたことが更に明白に示され始めます。

VF35 – とても上質
XF40の紙幣より多くの折れ、もしくは極めて重度の折れが3本もしくは4本ある場合があります。一般的に折れの数は7本未満ですが、折れが極めて軽度である場合は10本前後のこともあります。紙は丈夫でしっかりとしています。紙には、このグレードの典型である汚れと調色が認められる場合があり、明らかに流通していたことを示しています。

VF30 – とても上質
度合いと場所に応じて、通常4本から10本の折れが認められます。紙幣にはいくつかのしみとともに明らかな擦り切れが見られますが、紙はしっかりとしていて裂けはありません。このグレードでは、1つもしくは2つの小さな穴は、「ディテール」グレードの付与の下で許容されます。

VF25 – とても上質
中級のVFグレードで、更に重度の汚れもしくは調色や非常に重度の折れなどのVF30もしくはVF35よりも多くの損傷が認められ、紙の形状の多くが失われています。

VF20 – とても上質
紙幣は、数々のはっきりとした折れ、擦り切れと折れのある角、F15グレードに至らない程度の形状など、明白に流通の痕跡を示し始めます。汚れはもう少し明白に認められます。まだ色は完全に残っています。欠損箇所はなく、ひと目でわかるほどではないものの、折れの部分に僅かながら裂けの兆候が見られます。

F15 – 上質
形状の多くを失ったわずかにVFに至らない紙幣で、数々の折れ、僅かな裂け、重度の調色、全体的な紙質の完全性の喪失など、更に多くの流通の兆候が認められます。

F12 – 上質
かなりの期間使用されていた紙幣ですが、丈夫で欠損箇所はありません。形状が残っておらず弱くなった紙幣は「上質」とは評価されません。角はかなり丸く、縁は擦り切れて小さな裂けがある場合がありますが、F12グレードの紙幣では、裂けはデザインに影響していないのが一般的です。いくつかの小さな穴、散在する筆跡や軽微な私的なな印は許容の余地があります。いくつかの汚れは許容されますが、重度かつ著しく目立つものには「ディテール」グレードが付与されます。

VG10 – とても良い
ほぼ「上質」に近い紙幣ですが、更に重度の汚れ、多数の重度の折れや紙幣の全体的に摩耗した印象等、高いグレード評価を妨げるいくつかのネガティブな特徴が認められます。紙幣の欠損箇所はありません。

VG08 – とても良い
「上質」の特性よりも「良い」特徴を示す紙幣です。より多くの破れや摩耗が見られ、場合によっては重度の汚れが認められことがあります。濃すぎずもしくは損傷を与えない範囲で、いくつかの痕跡や私的な印が認められる場合があります。小さな穴は、重大もしくは数が多過ぎなければ許容されます。

G06 – 良い
更に重度の裂け、場合によっては角の部分欠損が認められる完全に摩耗した紙幣です。このグレードでは、重度の折りと流通のため中央にはっきりとわかる穴が空いていることがあります。このグレードの紙幣では、相当の汚れがあり、その他の損傷の痕跡があるのが一般的です。はっきりとした小さな穴が多数認められる傾向があります。しかしながら、ここでも主要な欠損箇所については「ディテール」グレードが付与されます。

G04 – 良い
G04の紙幣では、かなり重度の流通と損傷が認められます。複数の小さな部分欠損があり、広範囲の裂けがデザインにまで達しています。紙幣は完全に摩耗しており、重度の汚れ、痕跡や小さな穴がある場合があります。見栄えは悪く数々の問題がありますが、紙幣は識別可能です。

PCGS紙幣の記号
PCGS紙幣グレーディングでは、70ポイントのグレーディングスケールの使用に加えて、特定紙幣の評価のためにOPQおよびDETAILS(ディテール)の記号を使用します。

OPQ
OPQはOptimal Paper Quality(最適な紙質)の略称です。この記号は、PCGSの紙幣鑑定士が、いかなる場合においても物理的、化学的もしくは物質的に変更もしくは処理することなく、オリジナルの品質を維持するために紙幣に付与されます。紙幣に異質な紙もしくはその他の材質が加えられることはありません。OPQでは、鑑定対象の紙幣にトリミング、修復、化学薬品による洗浄、もしくは折れおよびその他の問題の隠匿を目的としたプレス加工等が行われることはありません。インクははっきりとしており著しいにじみはなく、完璧なエンボスを備える等、与えらえたグレードに応じた確かな見栄えも必要です。35以上のグレードの紙幣にのみOPQ記号表示の資格があります。各グレードにおける典型的な擦り切れと環境による劣化が認められる紙幣についても、上記記載のいかなる要素も侵害しない場合はOPQ表示の資格があります。

「ディテール」グレーディング
紙幣が損傷しており、基準数値グレードでは紙幣の状況を正確に示されない場合があります。「ディテール」グレードは、紙幣に特定グレードの期待値を超過する損傷もしくは問題がある場合に付与されます。一般的に、より低いグレードにおいて「ディテール」グレード記号を使用することなくより多くの欠点が許容されます。鑑定士が「ディテール」グレードの付与が必要と判断した場合、指定の問題とは独立した形で紙幣の特性に応じた数値グレードが与えられ、「ディテール」グレード設定の理由がラベルに明示されます。これにより、ディテールグレードが付与された理由を明示しつつ、紙幣の正確なグレードを示すことができます。下記が認められる場合に「ディテール」グレードを付与します(以下に限定されません):